Creativity Enhancement Ltd.
VOL.1 2007.6.11
『北岡泰典メ−ルマガジン』
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精神世界の求道者・変性意識の学際的研究家・国内NLP第一人者である著者が、
スピリチュアルな世界・カウンターカルチャー等について縦横無尽に語ります。
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『創刊記念号』
※ 注: 「まぐまぐ!」に対する発行申請許可用に『創刊準備号』が 2007 年 5 月 29 日付で発行されましたが、今回、「まぐまぐ!」から発行承認が正式に下りましたので、創刊準備号の内容を再度改めて本『創刊記念号』でお伝えします。
以下の文面は、『創刊準備号』をそのまま引用したものです。
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皆さん、はじめまして。変性意識の学際的研究家・NLP ファシリテータの北岡泰典です。
私は、2003 年 10 月から「まぐまぐ!」を通じてメルマガ『これが本物の NLP だ!』を発行していますが (現在第 72 号まで発行済みです)、このたび、新たにもう一つの本メルマガを発行することとなりました。新メルマガのタイトルには、単に私の名前を冠することにしました。
私は、1981 年に国内の大学を卒業後、アフリカ北海岸 (サハラ砂漠)、欧米 (特に英国) 等に 20 年近く滞在した後、2002 年に帰国しました。その後は、欧米で学び、その創始者から直接資格を取得した
NLP (神経言語プログラミング) を日本 NLP 学院で、学院長として教えています (2004 年から今年まで毎年、NLP 創始者の一人であるジョン・グリンダー博士を日本に招聘してもいます)。
私の NLP への関わり方は、1983 年の米国オレゴン州でのインド人導師への弟子入り、そのコミューンでの 1 年以上に渡る精神主義的修行の実践と
2000 時間近くの心理療法コースへの参加、1980 年代後半の催眠研究、変性意識の実験、7 年間続いた英国ロンドンの自宅での「変性意識下での
NLP の自己適用の実験」等を抜きにしては、いっさい語れないので、既存のメルマガ『これが本物の NLP だ!』では語りきれなかった、私の「NLP
以前」の背景となっている多様な領域における自分の知識と経験について本メルマガで書いていこうと思っています。
私の (NLP 中心の) 活動については、下記の「北岡泰典公式サイト」を参照していただけたら幸いです。
http://www.kitaokataiten.com/
本メルマガの今号は「創刊準備号」ですが、ここで「北岡ワールド」の背景としてのいくつかのキーワードの説明をしておきたいと思います。
1. 変性意識について
以下が、オンライン百科事典の『ウィキペディア (Wikipedia)』の「変性意識状態」の定義です。
「変性意識状態(へんせいいしきじょうたい、オルタード・ステイツ)とは、人間の意識状態の一種。日常的な意識状態とも睡眠状態とも別の意識状態であり、宇宙との一体感、全知全能感、強い至福感などを伴う。この体験は時に人の世界観を一変させるほどの強烈なものである。
その体験は肉体が極限まで追い込まれた状態、深い瞑想、薬物の使用などによってもたらされる。
古来より、悟りや神の啓示などを体験した宗教家は変性意識の体験者であると言える。この意識は白昼夢や幻覚の一種であるとの批判もあるが、神秘主義者は日常的な意識の方こそ幻覚なのであり、変性意識状態こそ真実の体験なのであると主張する。
心理学の中では精神病の一種とする見方がある一方、トランスパーソナル心理学ではこれを人間に肯定的な効果をもたらすものとして研究する。」
この定義は、非常に的を得ていると私は考えています。この定義については、今後本メルマガ上でもさらに詳述していく予定です。
私は、以上の定義の下、自分自身を 40 年以上に渡る「変性意識の学際的研究家」と形容しています。その理由は、私が変性意識と初めて出会った 5
歳の頃に遡ります。ハンディキャップをもった子供たちを収容する施設で当時 5 歳の私は、他の子供たちから催眠にかけられるという非常に興味深い体験をもちました
(この施設と催眠の体験については、別途本メルマガの今後の号で詳述することにします)。そして、それ以来ずっと、継続的に首尾一貫して「変性意識」に興味をもち、かつ、網羅的に徹底研究および体験的実験を続けてきている、という意味です。
2. 神秘主義とは
以下が、オンライン百科事典の『ウィキペディア (Wikipedia)』の「神秘主義」の定義の一部引用です。
「神秘主義(しんぴしゅぎ)とは、人智の及ばない事物(神秘)が存在するとする考え方である。英語の mysticism の訳語にあたるが、mysticism
は、この立場での神学や哲学を指すこともあり、この場合は神秘主義思想、あるいは神秘思想と訳される。」
オンラインの「goo 辞書」(三省堂提供「大辞林 第二版」) では、「神秘主義」の定義は以下のようになっています。
「絶対者・神などの超越的実在は、感覚や知性の働きによっては認識できないので、それらを超えて何らか直接に体験しようとする宗教・哲学上の立場。インドのヨーガ、イスラム教のスーフィズム、キリスト教におけるグノーシス主義、エックハルトの中世神秘主義、プロティノスの新プラトン主義などが顕著な例。」
私の導師 (グル) (この方についても、別途本メルマガの今後の号で詳述することにします) は「神秘主義者」でした。私も、自分自身を神秘主義者と形容することがあります。
3. 宗教と「精神世界」の違い
私は、一般的に使われている意味での「宗教」は「ダーティ ワード (汚れた言葉)」だと考えています。19 世紀のインドの聖者であるラーマクリシュナの高弟のヴィーヴェッカナンダは、その著、『ラージャ
ヨガ』で、いわゆる悟りの道について、以下のように述べています。
「精神は、その一つ一つが潜在的には神だ。
目的は、外部と内部の自然をコントロールすることにより、この神性を顕在化することにある。
このことを、日常の仕事、崇拝、サイキック コントロール、哲学のうちの一つ、二つ以上、またはこれらすべてを通じて行うがよい。そして自由になるのだ。
これが宗教のすべてだ。教義、教条、儀式、経典、寺院、形態等は、二次的な枝葉末節以外の何ものでもない。」
このヴィーヴェッカナンダの宗教の定義こそ真の意味での宗教であり、私も、この意味においてだけ「宗教」という語を受け入れる用意がありますが、一般的には、宗教とは「教義、教条、儀式、経典、寺院、形態等」を意味していると考えられますし、そのような「似非宗教」は、「Who
am I?」という、人間として唯一問う価値のある究極的な問いに対する答えを求めようとする自己探求の道とも形容することができる「真の宗教」とはまったく無縁のものです。
私は、「精神世界」を、この真の自己探求の道と等価に考えています。このため、「北岡ワールド」では、精神世界と宗教はまったく別物です。
さらに、私は、いわゆる「ニューエイジ」系の「エンジェルたち」も断罪します。彼 (女) たちと「真の精神主義者」の違いは、その主張の内容にあるのではなく
(どちらの人種も、通常の意味からいえば、かなり「ぶっ飛んでいる」と思います)、むしろ、前者には、いわゆる「リアリティ チェック」という規律がないので、つねに自分の世界に入り込んでいて、かつその世界を他の人にも押し付ける傾向にある一方で、後者は、つねにリアリティ
チェックを怠らず、コンテキスト マーキング (文脈マーキング) がしっかりしていて、自分の言質が不適切だと思ったら、その文脈では口を閉ざしていられる人々です。私は、後者の人々を「精神世界系の哲学者」とも形容することがあります。
4. 認識論について
「北岡ワールド」では、「認識論」は極めて重要なキーワードです。
もし、NLP と精神世界という別個の領域の「橋渡し」 (マッピング) が可能であるとしたら、私は、二つのコンセプトがその橋渡しの役割を果たすことができると考えています。そのコンセプトの一つが「認識論」です
(もう一つのコンセプトは、インド哲学で言う「観照者 (witness)」とほぼ完全マッピングできる NLP の「メタ」のコンセプトですが、この点については、別途本メルマガの今後の号で詳述します)。
認識論は、「自分が知っていることをどのように知っているか」についての知識 (または科学) と定義され、私たち人間の脳のメカニズムについての認識論的研究が
NLP のようなコミュニケーション心理学の重要な基盤となっています。すなわち、認識論により、私たちの日常生活で直面する問題の内容を決定するプロセス
(またはパターン) を知ることができ (プロセスは内容より「一つ高い論理タイプ」にあります)、問題の克服が可能になります。認識論的研究により、さらに、論理タイプの階層を登ることにより、「学習の学び方」を知ることができるようになり、そのことによりいかなる分野の学習プロセスを加速化することもできるようになります
(それは私たちの学習プロセスまたはパターンを扱うので、学習する内容そのものはもはや重要ではなくなります)。
上記のことから、20 世紀の科学的技術は多くの量子的飛躍を遂げてきましたが、人間心理学もまた、とうとう継続的に量子的飛躍を経る段階にまで来ざるを得なかったと言うことができます。このためにこそ、現代人がその内側と外側の生活を調和させる可能性が生まれています。人間はやっと唯物主義と精神主義の間のギャップを埋める可能性に達したとも言うことができます。この文脈で、グレゴリー
ベイツン (NLP の父と称せられる英国認識論者) は (死後出版の著、『天使恐れる』で) 2,500 年前にアリストテレスによって提言され、デカルトが複雑化した諸問題
(たとえば、心体二元論) は、彼自身とラッセルの認識論によってすでに解決されたとまで言っています。
ちなみに、私は、NLP 共同創始者のジョン グリンダー氏の来日中、同氏と毎日のように「認識論的会話」をもつことができましたが、同氏は、「マインドの中に入ってくるもので、まず知覚経路を通じて入ってこないものはない」
(ジョン ロック) という意味での「知覚的体験の認識」だけを云々するという、頑強なイギリス経験論的認識論者で、神経学的拘束を含めた何重もの知覚フィルターを通ってきた外界からの入力の変形物を「主観」として体験できるだけで、その外界にある「現実」については何も知りえないし、何も言えない「神秘」でしかない、という立場を取っていらっしゃいました。私は、同氏の立場を「神秘主義的認識論者」であると形容すると同時に、私自身の立場は「認識論的神秘主義者」ですよ、と申し上げたときは、同氏は「苦笑い」されていました。
5.『サイバーブック』について
『CYBERBOOK: An Integral Epistemology for Enlightenment (サイバーブック: 悟りのための統合的認識論)』は、私が、2000
年に私の英国の会社、Creativity Enhancement Ltd. を通じて出版した CD-ROM 本です。108 ページの英語の
HTML ページからなっていて、ISBN 番号は 0 9537092 0 5 です。このブックは、王立英国図書館にも謹呈、正式登録されています。
この CD-ROM ブックは、人間意識 (および変性意識) に関する私の過去 20 年間の研究の結果です。
このブックの中で、私は、数千年前のインド哲学であるヴェーダンタと 20 世紀にアメリカで生まれた NLP がほぼ同じことを言っている、ということを明示的にマッピングすることで、「真の意味での古今東西の統合」を図りました。
このブックは 108 の HTML ページから成り立っています。日本では、108 種の「煩悩」(「妄想/欲望/執着」を意味し、サンスクリット語では「クレシャ」に対応します)
があると言われています。毎年の大晦日の夜には、全国の仏寺で僧侶等が 108 回鐘を鳴らし、聞く人がこれらの 108 の各煩悩を克服するように助けます。私は、このブックの読者の方々も、108
ページの一つ一つによって同じような効果を得れたらと心から願っています (ちなみに、インドで現在までに保存されてきていると言われるウパニシャッドの総数が
108 であることも付記できます)。
今回、本メルマガの発行を機に、このブックの私による翻訳紹介サイトを以下に設けました。
http://www.kitaokataiten.com/cyberbook/
このサイトでは、現在、108 ページの一部しかアクセスできませんが、近い将来、フル バージョンの翻訳本の販売を開始することを考えています。
(注: 本ページでは、当初マグマグで発信されたオリジナルのメルマガ内容の告知情報部分を割愛しています。)
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以上、本号のメルマガはいかかでしたでしょうか?
ご質問やご意見がございましたら、info@guhen.com
までお寄せく
ださい。
本メルマガのバックナンバーは、以下のサイトで閲覧可能です。
http://www.creativity.co.uk/creativity/jp/kitaoka/
北岡泰典のメルマガ『これが本物の NLP だ!』は、以下で参照可能です。
http://www.creativity.co.uk/creativity/jp/magazine/backnumbers/
北岡泰典公式サイトは以下でアクセス可能です。
http://www.kitaokataiten.com/
北岡泰典メ−ルマガジン
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