心理学と芸術

シグムント・フロイトが心理学の分野で精神分析を始めた後、アンドレ・ブルトン等が芸術の学派として超現実主義を確立しました。精神分析と超現実主義は、互いに影響しあって、人間の潜在意識の世界を探求、表現したように思われます。

「潜在意識」を発見したことに関してのフロイトの偉大な貢献は正当に評価される必要がありますが、同時に、「もはや存在しない過去」に精神的トラウマ (外傷) の原因を見つけ出そうとする彼の方法論の限界も明らかになりました。以来、ゲシュタルト、交流分析 (TA)、エンカウンター、プライマル、リバーシング等の広範な心理療法の学派が精神分析に取って代わるか、超越するものとして創始されました。しかし、これらの学派は、コンテント志向のセラピーで、クライアントに過去のトラウマを認知的に (ゲシュタルト、交流分析等の場合)、または情緒的および心理的に (エンカウンター、プライマル、リバーシング等の場合) 再現なく何度も再体験させようするという意味において、精神分析に似た限界性をもっていることが判明しました。

言い換えれば、これらすべての現代の心理療法の学派は、(もはや存在しない) 過去のトラウマの原因がいったん見い出されて、再体験さえされれば、これらのトラウマは永久に治癒されるだろうと素朴に信じ、コンテント レベルを超えることができませんでした。

(もちろん、ミルトン・H・エリクソンとパロ アルト グループのさらに早い時期の貢献を忘れることはできませんが) 心理学の歴史上初めてこのコンテント レベルを超え、人間行動のプロセス レベルに登り、クライアントの望まない行動を支配しているパターンと規則を扱って、彼らがさらに幸福に感じ、自身にさらに満足できるような変革をもたらし始めたのは NLP でした。(「サムスカーラ」ページで紹介されている比喩を参照のこと。)

ちなみに、NLP は伝統的な心理療法の学派とはまったく異なったレベルにあり、それらすべてを超えていることは、NLP の誕生後に新たに確立された重要な、影響力をもつ心理療法の学派を見つけだすことができないという単純な事実から明らかになります。同じ限界をもっている新しい心理療法の学派が NLP がコンテント レベルを超越した後にも創始される必要性と理由がなくなったわけです。(この意味では、精神分析だけではなく心理療法も現在、「死語」になりつつあります。)

以上を背景として、著者の誠実な希望は、20 世紀の終わりに突破口を見つけることに困難性を経験している芸術家が最先端のコミュニケーション心理学としての NLP に頼る必要があり、さらに、そのことにより、超現実主義が精神分析から深いインスピレーションを受けて当時の新芸術を創始した場合と同様に、完全に新しい芸術が 21 世紀に創始されるだろうということです。

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