グレゴリー・ベイツン

NLP は、20 世紀の 2 人の偉大な人々、ミルトン・H・エリクソンとグレゴリー・ベイツン (1904年〜1980 年) の影響の下に生まれましたが、著者は、ベイツンはやがて (21 世紀以降に) 「20 世紀のもう一人のアインシュタイン」またはそれ以上として死後認知されるだろうと信じています。

ベイツンは、ニュー ギニアとバリ島で人間のコミュニケーション パターンを研究した英国生まれの文化人類学者で、晩年に米国カリフォルニア州パロ アルトの「メンタル リサーチ インスティチュート」 (MRI、精神研究所) で精神医学の研究に従事しました。臨床的にはドン・ジャクソンによって、理論的にはベイツンによって指導された「パロ アルト グループ」は、50 年代に統合失調症の理論の形成を貢献しました。「二重拘束」や「論理階梯」のような彼らの理論的概念は、統合失調症のケースに限定されることはなく、一般人間コミュニケーションにも普遍的に適用できるものです。彼らの研究で重要なことは、常識とは反対に、統合失調症患者と「正常」な人間との間の相違は絶対的なものではなく、むしろ相対的であるという発見でした。すなわち、両者とも、同じ心的機能の原則によって支配されていますが、これらの原則を応用する際に犯される小さなエラーによって大きな相違が生まれるのです。このことは、彼の娘のメアリー・キャサリン・ベイツンが編集した死後出版の書、「天使恐れる」で、ベイツンが提示する統合失調症患者によって使われる「草の三段論法」の例で例示されています。すなわち、

      三段論法                      草の三段論法

     人間は死ぬ。                  草は死ぬ。
     ソクラテスは人間である。      人間は死ぬ。
     ゆえに、ソクラテスは死ぬ。    ゆえに、人間は草である。     

上記の三段論法における「ごくマイナー」のエラーで「狂気」の人々ができあがることに留意してください。確かに、仮に人間が自分の頭の中または声に出して独り言を言うのを止めるこのができない地球上の唯一の動物である (ちなみに前者の人々の場合は正常と見なされ、後者の人々の場合は「狂気」というレッテルを貼られる可能性が高くあります) ことを念頭に入れるとしたら、これらの 2 つのタイプの人間の間の相違は相対的であると見なさざるをえないでしょう。ベイツンの各著は、効果的なコミュニケータになることを望む人すべてに高く推薦されます (「認識論」のページも参照のこと)。

Copyright (c) 1996-2012, by Swami Guhen. All rights reserved internationally.